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「ひかり!!」
私が部室から出ると、健汰がまた不機嫌そうな顔をして待っていた。
(広瀬先輩と喋ったから怒ってるのかな……)
「……健汰…」
「………」
健汰は何も言わずにどこかをじっと見ている。
健汰の視線を追ってみると、私の手と高橋くんの手が繋がれているのを見ていたのだった。
「…ハッ…楽しそうだな」
「…ッ!!」
そう言って笑った健汰の表情は人を嘲笑うかのようだった。
それと同時に私は顔が熱くなるのを感じ、高橋くんの手を咄嗟に離した。
高橋くんは怪訝な顔していたが私はその時気付かなかった。
「ひかり、帰るぞ」
「あッ…ちょっと待ってよ…!!」
健汰は無理矢理私の腕を掴んで引っ張った。
その時…
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