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変化
私たちはまた一緒に帰るようになった。
もちろん毎日川原にも寄っている。
あれから健汰が教室に来ることはなかった。
だけど私はやっぱり少し健汰のことが気になっていた。
放課後。
私は透くんが迎えにくるのを教室で携帯をいじりながら待っていた。
ガララ
透くんだと思って振り返ってみるとそこには紗弥が立っていた。
しかも、いつも強気な紗弥が今にも泣きそうな顔で。
「紗弥??どうしたの?」
「…ひかり……」
「何かあった…?」
そう問いかけても紗弥は首を横に振るだけ。
私は紗弥を抱き寄せて、子供をあやすように背中を撫で続けた。
ガラッ
「ひかり先輩、迎えにきた……
…どうかしたのか?」
透くんは心配そうに私に聞いてきた。
「ううん、大丈夫。今日は部活行けないって広瀬先輩に言っといて」
「わかった」
「透くんも先に帰っていいからね」
「あぁ」
透くんは私にじゃあなと手を軽く振って部活に走っていった。
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