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「あ…ユウ、小屋どうだった?」
神社に戻った僕に千夏が駆け寄って来る。
「やっぱり荒れ果ててた、それに……」
「それに?」
「それに…あ~…虫が多かったよ。」
「虫!?やだ、行かなくてよかった…」
僕は死体の事を言いかけたが、やはり言うべきではないと思い誤魔化した。
「佐々木さん…遅いですね…」
山本さんは珍しく困った顔をしている。
そういえば佐々木さんの姿が見当たらない…
「私、その辺見て来ますね。」
そう言うと結奈さんは小走りで林の方へ向かった。
15分後…
「ダメです。佐々木さん何処にもいません…」
結奈さんが息を切らせながら戻ってきた。佐々木さんは見つからなかったようだ。
「仕方ないですね…天候も悪くなってまいりましたので、館に戻りましょう。先に戻ったのかもしれませんし。」
山本さんの言うとおり、雲行きは怪しくなり風も強くなってきた。
早く館に戻った方が賢明だろう。僕達は宿場、屍館に向かった。
佐々木さん…何処にいるのだろうか…
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