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屍館に着く頃、辺りは既に暗くなっていた。
中に入ると同時に外は豪雨になり、突風が吹き荒れる。
嵐とはまさにこの天候のことを言うのだろう。
「ひゃ~、ギリギリやったな~!!」
田辺さんの言うとおり、本当にギリギリだった。あと少し遅かったら…皆びしょ濡れになっていたかもしれない。
「山本さん!佐々木さん…部屋にもいませんでした。」
「そうですか…何処に行ったのでしょうか…」
結奈さんと山本さんが話している。どうやら佐々木さんはこの館にもいなかったらしい…
「佐々木さん…大丈夫かな?」
「大丈夫、きっとそのうちヒョコっと戻ってくるよ。」
千夏が心配そうに聞いてきたので、不安にさせてはいけないと思い、僕は微笑んでそう答えた。
その時…
ドン…ドン…
入り口のドアを誰かが叩いている。
ドン…ドン…
「佐々木さん…ですか?」
山本さんは鍵を開け、ゆっくりとドアを開いた。
そこにいたのは………
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