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「み…宮脇様!!あ、危ないですよ!!」
山本さんの声に振り向くと、晴夫さんが日本刀を振り回していた。
「大丈夫大丈夫!!ワシはこう見えても昔は剣道をやってましたからな、防具の付け方ぐらいしか知りませんが。はっはっは!!」
晴夫さんには悪いが…それは全然大丈夫ではない。
「いったいどこからそんなものを見つけなさったのですか…?」
山本さんがそう尋ねると、晴夫さんは広間の隅を指をさして答えた。
「これか?これは…そこの甲胄の隣りに飾ってあったのだ。大丈夫!!飾りなんで全く斬れませんよ。あくまでも…念の為、もしもの時に身を守るための物です。」
「そ…そうですか、とにかく気をつけてくださいね?」
二人のやりとりを少し笑いつつ見ていた僕は、再び探索を始める。
今度はさっき開けた引き出しの隣を開けてみた。
その中で僕はある物を発見した。
「果物ナイフ…か。」
小型の果物ナイフ、刃の部分はしっかりと鞘のような物に納まっている。
…もちろんこんな物で佐々木さんを刺すつもりはないし、そんな勇気もない。
だけど…何かの役には立つかもしれないと思い、僕はそれをポケットに入れた。
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