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各々何かを見つけた僕達は、再び広間の中心に集まった。
「榊さん、僕達はこれからどうすれば…?」
誰も喋らないので僕は痺れをきらし口を開いた。
「俺に聞かれても困る…、ただ…嵐が過ぎるまでは館内を逃げ回るしかないだろうな…」
榊さんがそう言うと、今度は田辺さんが喋り始めた。
「この手の嵐は朝には過ぎるやろ、そして昼には迎えが来る…それまでの辛抱やな。」
「それまでの辛抱って…まだかなり時間あるじゃない!!」
「相川さん。不安なのはみんな一緒や、でもそうするしかないやろ?」
「わ、わかってるわよ…もしもの時は祐一くんに守ってもらうから大丈夫よね♪」
「ぼ、僕ですか!?」
「ダメかしら…?」
そう言うと相川さんは僕の腕に腕を絡め、上目遣いで見つめてきた。そんな目で見られて断れるはずがない。
「い…いぇ、ダメじゃないですよ!!」
「ふふ、よかった♪」
僕は思わず千夏の方を見た、千夏は少し不満そうな表情をしている。
嫉妬…かな?嬉しいような…気まずいような…。
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