惨劇の幕開け

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バタンッ!! 鍵をかけていた扉が勢いよく開く。 そこには…"あの"佐々木さんの姿があった… 玄関の扉を破るときに雨にうたれたのだろう…服も髪も濡れている。 「佐々木…さん…」 結奈さんが力なく名前を呼ぶ。しかし佐々木さんは反応もせずにゆっくりと近付いて来る。…床に水滴を垂らしつつ…ゆっくりと… 「はやく逃げろ!!急げッ!!」 榊さんのその一言で、僕らは奥へと続く廊下へ一斉に走り出した。 「はぁ…ッ…はぁ…ッ…」 どれくらい走っただろう…気付いた頃には長い廊下の端まで来ていた。 僕達は慌てて後ろを振り向く、とりあえず追ってきてはいないようだ。 しかしその時、僕はあることに気付いた。 一人…いない………?
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