惨劇の幕開け

12/20
前へ
/60ページ
次へ
広間の前まで戻った僕と桐島さんは、そっと広間を覗きこむ… しかしそこに田辺さんの姿はなかった、あの佐々木さんも…いない。 「おかしいですね…」 「おぃユーイチ、あれ見てみな。」 桐島さんが指を指している方を向く、そこには血が飛び散っていた。 「ま、まさか…田辺さんの…」 「そう決めるには早いぜ、佐々木のかもしれねぇだろ?」 「そ、そうですね…。」 どちらにせよどちらかがこの場所で傷を負った。それが田辺さんか"あの"佐々木さんかはわからないけど… 血の量からしてかなりの深手だろう。 多分…傷を負ってる方は助からない… それにあまり動けないはずだ、いったい何処に… 僕達が戻ってきた廊下は軽い曲線になっているものの、一本なので擦れ違えば絶対にわかる。階段は二か所、この広間を出てすぐの所と廊下の端にある。 よって考えられるのは…本館、東館一階広間付近の各部屋、そして…東館…二階。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

931人が本棚に入れています
本棚に追加