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広間の前まで戻った僕と桐島さんは、そっと広間を覗きこむ…
しかしそこに田辺さんの姿はなかった、あの佐々木さんも…いない。
「おかしいですね…」
「おぃユーイチ、あれ見てみな。」
桐島さんが指を指している方を向く、そこには血が飛び散っていた。
「ま、まさか…田辺さんの…」
「そう決めるには早いぜ、佐々木のかもしれねぇだろ?」
「そ、そうですね…。」
どちらにせよどちらかがこの場所で傷を負った。それが田辺さんか"あの"佐々木さんかはわからないけど…
血の量からしてかなりの深手だろう。
多分…傷を負ってる方は助からない…
それにあまり動けないはずだ、いったい何処に…
僕達が戻ってきた廊下は軽い曲線になっているものの、一本なので擦れ違えば絶対にわかる。階段は二か所、この広間を出てすぐの所と廊下の端にある。
よって考えられるのは…本館、東館一階広間付近の各部屋、そして…東館…二階。
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