惨劇の幕開け

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「戻るぞ、ユーイチ。」 「そうですね、ここには誰もいないみたいですし…」 広間を出て再び廊下に戻り、階段を上がろうとしたその時… 僕は階段横にある扉のドアノブに血が付着しているのを見つけた。 「桐島さん!!あの扉…」 僕はその扉を指差す、桐島さんも扉を見てドアノブの血痕に気付いた。 「…はやく二階へ行くぞ。」 「えッ…調べないんですか!?」 「あぁ、さっさと行こうぜ。」 「で、でも…もし田辺さんが中にいたら…」 「あの血痕が田辺さんのとは限らないぜ?"あの"佐々木のかもしれねぇし…もしかしたら12年前の血痕かもしれねぇだろ?」 「だけどッ…」 「それにおかしくねぇか?あれだけ出血してんのに広間からその扉までの間の床に血痕はなかった、フツーあれだけ出血してたら垂れ落ちんだろ?」 「それはまぁ…そうですけど…」 「とりあえず一旦みんなと合流するぞ。」 「…そうですね、みんなも心配してるだろうし…わかりました。」 扉の血痕…気にはなったが、僕達はとりあえず二階の皆と合流するために再び階段を上り始めた。
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