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僕達は人影に近付いていく…"奴"ではないことを祈りながら、ゆっくりと近付いていった。
やがてその姿が確認できるまで近付いた、その人影は…………
「た、田辺さん…!?」
人影の正体は田辺さんだった…
顔は真っ青で壁に寄り掛かっている。
「祐一くんに…桐島さんか?はよ逃げた方がえぇ、俺の側におったら危険やで…」
「そんな…田辺さんを放っては行けませんよ!!」
「おおきに…でもな、本当に危険なんや、はよ…はよう逃げや…」
田辺さんは本当に苦しそうだ、逃げろと言われても…放って逃げる気にはなれなかった。
その時、先程からずっと黙っていた桐島さんが口を開いた。
「逃げろって言われてもよ、目の前で苦しそうにしてる奴をほっとけねぇっつーの、とりあえず…なんで危険なのか話してくれるか?苦しいだろうけど、頼む。」
「それもそうやな…わかった、時間がない…急いで話すで。」
僕と桐島さんを目の前に田辺さんは何があったのか話し始めた。
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