DELETE MEMORY

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「……?」 ごく一般的な少年 満月ソラ(みつき そら)は、ふと月へと顔を向けた。何か光ったような気がしたのだ。 「気の……せい?」 自問自答して部屋へ戻った。 (う…ん…いつもより、眠い…かも) ベッドに横たわると、ソラは眠りに落ちていった。 その眠りが癒しでは無く永遠の別れだと知らずに。 ソラが眠ってから時間は午前零時をさしていた。すると、どこからともなく光の壁が現われた。 眩しさに、ソラは顔をしかめて眼を開けた。 「なんだ……これ」 寝ぼけてソラはつぶやいた。すると、 『ヒツヨウナ キオクヲ センタクシテクダサイ』機械みたいな声が聞こえた。 「必要な記憶……?変な夢」 更に時計のようなオブジェが現れて、 『セイゲンジカンハ 1ジカンデス』 という。 まだソラは寝ぼけていて、 「変な夢。……知らないよ。勝手に決めといて。……眠いんだ」 大したこと無いと思ってそう言ってしまった。 『メモリー オール チェック』 光の壁は全ての項目に印をつけた。そして、 ソラが再度眠りに落ちた瞬間、全ての記憶を消し去った。 何も知らぬまま、夜が明けた。
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