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「マジかよ?」
驚きのあまり多少声が裏返っちまった俺。
だってそうだろ?目を塞(フサ)いでた包帯を取ったら、目の前に下着姿の女が居るんだぜ?
誰だって驚くさ。
「いかがですか目のほうは?見えていますか?」
だけど驚く俺をよそに、女はチャーミングな笑顔を浮かべて、取り外した包帯を片付けていく。
うん。この女、慣れてるな。いろいろと。
「ああ、良く見えるよ。見えすぎて困るぐらいだ。」
そう言って俺は椅子から立ち上がり、女の肩へ手を伸ばした。
目の前でこれだけ挑発されてるんだ、据え膳喰わぬはなんとやらだろ?
「ちょっと、何するんですか。やめて下さい。」
だが以外にも女は俺の手を払いのけ、不快感を露わに俺を睨みつけた。
ん?何だ?お触りはダメなのか?
「いいですか、佐久間さん。レーシックは簡単な手術とは言え、それなりに体に負担がかかるんです。しばらくは安静にしといてくださいね。」
くびれたウエストラインに目をやりながら、俺は下着姿の女の話を片耳で聞き、椅子に座り直す。
どうやらお説教されてるらしいが、その口振りから俺はあることに気がついた。
「あんた…ナースなのか?」
この俺の質問は相当とぼけたものだったのだろう。
あからさまに呆れた様子で、下着姿のナースがため息をつく。
「当たり前でしょ。この姿見て、わかりません?」
いや、その姿を見たから分からないんだが…
「もしかして…良く見えてないんですか…?」
はっとした表情を浮かべると、急に心配そうに俺の顔を覗き込む下着姿のナース。
うん。このアングル。谷間が素晴らしい。
「先生ー。先生ー。すみません。ちょっと来て頂けませんか?」
突然俺の前から谷間が消え去り、下着のナースは部屋から小走りに出て行った。
おそらく担当の医師を呼びに行ったんだろう。
パタパタと急ぐスリッパの音が響く。
「しかし、何だったんだ?今の女は?」
この二階堂総合病院、サービスが良いとは聞いてたが、ナースが下着姿で患者の世話するなんて、サービス良すぎるだろ?
それにしてもこの部屋。
病室と言うにはあまりにも殺風景過ぎるな。
俺が座ってる椅子以外、部屋の中には何も無いじゃないか。
少なくとも診察台くらい置いとけよ。
それにこの椅子も何だか座り心地悪いし。
そう思って俺は、何気なく下を見た。
あれ?おかしいな。俺、宙に浮いてるじゃん?
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