第1話 -動き出す委員会-

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「部長……」 「頼もしいお言葉です!!」 「あのお子さま会長を言い負かす……ふっ、簡単だ」 室内から聞こえてきた声。これは、先程の会議で先陣を任された人のものだ。 そんなことを考えていたためか、“カタン”と物音を立ててしまった。 「誰だ!!」 ドアが開く直前、僕はその場から姿を消した。 「逃げたか……まぁいい。放課後……予定通り行動を起こす」 「はぁ……はぁ……はぁ……」 あれから僕は全速力で走り、教室に戻っていた。 幸い、追跡はされていないようで、不審な人影も見当たらない。 「あ、あの……大丈夫?」 「え? うん、大丈夫……大丈夫」 安全を確認した僕に、気の弱そうな女の子が話しかけてきた。 「汗、けっこう出てる……」 「少し走って……疲れただけ……」
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