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「そう……でも……委員長さんに何か言われたんじゃないの?」
“呼び止められてたみたいだから……”と、若干の上目遣いで聞いてくる。
僕は彼女を不安にさせないために嘘をついた。
「委員長とは今後の活動について少し話しただけ。そこまで深刻なことは話してないよ」
“それに、僕なんかに重要な話をすると思う?”と、付け加える。
「う~ん……そうだけど……」
キーン・コーン・カーン・コーン♪
ちょうど良いタイミングで授業開始のチャイムが鳴った。
その子は、不満そうな表情で“また後でね……”と言い残し、渋々自分の席に戻って行った。
僕も席に戻り、教科書とノートを広げ、授業に集中する。
その後も何度か委員長と話した内容について聞かれたが、本当のことは言えないため、上手く誤魔化し通した。
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