第1話 -動き出す委員会-

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「そう……でも……委員長さんに何か言われたんじゃないの?」 “呼び止められてたみたいだから……”と、若干の上目遣いで聞いてくる。 僕は彼女を不安にさせないために嘘をついた。 「委員長とは今後の活動について少し話しただけ。そこまで深刻なことは話してないよ」 “それに、僕なんかに重要な話をすると思う?”と、付け加える。 「う~ん……そうだけど……」 キーン・コーン・カーン・コーン♪ ちょうど良いタイミングで授業開始のチャイムが鳴った。 その子は、不満そうな表情で“また後でね……”と言い残し、渋々自分の席に戻って行った。 僕も席に戻り、教科書とノートを広げ、授業に集中する。 その後も何度か委員長と話した内容について聞かれたが、本当のことは言えないため、上手く誤魔化し通した。
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