第1話 -動き出す委員会-

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「しかし、なぜ今日は全員を集めたのですか? 生徒会の動向は毎週報告しているし、我々の存在に気付いた者もいない」 僕の正面の席に座る男子が全員の疑問を代表して言った。 「この会議は、今後の具体的な行動内容について知ってもらうためのものだ」 委員長の言葉に、先程発言した男子と同じ机に座る女子がワクワクした様子で聞く。 「じゃあ、これから本格的に行動開始ってこと?」 「そうだ」 委員長が頷き、周りがざわめき出した……が、委員長が“静かに”と手を叩くと、室内に沈黙が訪れる。 「今後は情報収集や動向観察と共に、各々(おのおの)、生徒会役員に接触してもらいたい」 僕は、委員長の発言に対し、自分の意見を述べてみる。 「あの……ずっと静観していた僕達が、なぜ今になって彼らに干渉するんですか?」
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