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そして、この時を待っていたかのように、僕の正面の机の男子が手を挙げた。
「ん?」
「僕が行きましょう」
「ふむ。君は、先陣を切る度胸と責任があるというのかな?」
委員長は彼をしっかりと見据えて問いかけた。
手を挙げた男子は、“もちろんです”と言いつつ、中指で眼鏡の位置を直す。
「そこまで自信があるのなら、良いだろう」
「ありがとうございます」
自信に満ちた表情で一礼した後、再び眼鏡の位置を直す……どうやら、彼の癖(くせ)のようだ。
「重要なことを言っておく。皆も聞き漏らさないように」
静かな部屋に、委員長の透き通った声が響く。
その、言葉を告げるために……。
「生徒会、及びその役員に接触し、客観的に見て“敗北”や“失敗”と判断された場合……即刻この委員会から除名する」
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