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10分くらいすればぞろぞろと他のスタッフも集まり始め、俺も最終調整をしていると、回りの空気が一瞬で止まった。
キョロキョロと回りを見ればスタッフみんなの視線がある一転に集まってたので俺も慌てて見た。
そこには、あのテレビでしか見たことのない、キラキラした人が立ってた。
すでに今日の撮影テーマに合わせて真っ赤な着物に長いカールが巻かれた髪を後ろで一束に結んで、色気ムンムンな女性…いや、男性が立っていた。
「き…れい…」
思わず隣のアシスタントの人が呟いた。いや、呟きたくなるのも分かるわ、あれやばいぞ。
するとその女装した男性は俺を見つけてこっちに向かって歩き始めた。
え、やばっ、ちょ、俺どーしよ、テンパるってかなんで来んの!?挨拶!?いや、そんなのいいっす!!
だんだん近づいてくる男性を見ると背中に汗がびっしょり溜まってた。
…俺やっぱヘタレだわ←
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