一章

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あの…綾那と想い通わせた出来事から数日が経った。 体調が回復し、無事学校に出て来た綾那との日常は…以前とあまり変わり無く、しかし何処かが決定的に違う…そんな日常が新しくスタートした。 朝、いづなと二人で駅から学校までの道のりを歩いて行く。 他愛のない会話、それが途切れて新しい話題を振ってくるいづな。 「あ~そうだ!!昨日隼人からメールが着たの」 いづなが楽しそうに話す。 「へ~隼人から…何て言ってきたの?」 「もうじき夏休みでしょ?だからまた皆で集まらないかって」 話題の人物である隼人…最上 隼人は私といづなの小学生時代からの友達である。 明るくイベント好きな隼人は、同じくイベント好きないづなと二人で色んな企画を立てている。 「今回はどんな事をするつもりなの?」 去年の夏休みにも、中学の同窓生を集めて花火大会を開催した二人。 その花火大会は高校に入って会う機会の減った皆には好評であった。 「うーん…今年も花火にしよっかとは話してるんだけどね~毎年一緒だとマンネリかなって…だから律も何か考えておいてよ」 「ん…いい案が浮かぶか分からないけど、考えとくよ」 私は頷き、そう返事をした。 去年とは違う夏に期待を膨らませ、私は学校の校門をくぐった。
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