73人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほんま、スンマセンって」
『いーよ別に。財前くんはおモテになりますからなあ。あたしみたいなふっつーな女子はアウトオブ眼中なんでしょーね』
「ちゃいますって」
『黙れ生意気ジャリボーイ』
「…」
『どーせあたしはかわいかないよ。フツーだよ。てゆーかフツー以下だよ』
「…先輩」
『ただの部活のマネで、ただの先輩だよ。彼女とかミラクルなのは知ってるともさ!』
「先輩」
『慰めなんていらないからね。惨めなんはイヤ。とりあえず近付くな。…もう、この前の子にさっさと乗り換えちま、ッ』
「(不満そうな顔で抱き寄せる)」
『離せマセガキ!!あたしなんか要らないくせに!』
「…ちゃいます」
『どこがだ!嘘つけ…っ!』
「この前の休み、駅ぶらついてたら捕まったんスよ。適当に流そう思てもしつこくて」
『…うそだ』
「無視して帰ろうとしたら着いてくるし。先輩、それを見てたんやろ?」
『…』
「あれは何でもないんです。つか邪魔やったし、アレ」
『うそ、だ』
「嘘ちゃう。俺があんたの彼氏なら、もっと信用してくださいよ」
『…だっ、て、財前かっこいいし、モテるし、地味に優しいし、』
「なんすか地味にって」
『あたしなんか釣り合わないでしょ…』
「知らん」
『…』
「俺はあんたが好きだから付き合ってんスよ?釣り合わないかどうかなんて知ったこっちゃないすわ」
『…うぅ~』
「はいはい」
『…財前の、ばか』
「明らかにあんたのがバカやと思います」
「(俺があんたを手離すなんてありえへんのに)」
.
最初のコメントを投稿しよう!