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「どうしました」
『…何が』
「貴女が時間もわきまえず夜中に電話を寄越すなんて珍しいじゃないですか?」
『…なんでも、ないよ。たまたま』
「本当にそうでしょうか」
『…』
「淋しいなら淋しいと、言ってもいいんですよ?…貴女は見かけによらず寂しがり屋ですからね」
『…ちがう』
「違うんですか?」
『…そんなこと、言うな』
「んふっ、心外ですね」
『そういうこと言われると、…余計、泣きたくなる』
「…」
『…もういい、寝る』
「ちょっと待ってください」
『…なに?』
「今から15分、起きていられますか?」
『…は?』
「これからそちらに向かいます。待っていられますね?」
『え、でも寮の規則とか…』
「今はそれどころじゃありません」
『…』
「貴女は限界まで我慢して自分を追い詰めてしまう傾向があります。しかもそれを隠すのも上手です」
『…だからちが』
「しかし、たまにそれは崩れます。我慢にも、やはり限界がありますからね」
『…』
「そして崩れるのは大抵、僕の前です。…今の貴女には僕が必要。違いますか?」
『…すごい自信』
「嘘はついていないつもりですが」
『…わかっ、た。待ってる』
「ええ。そうしてください。では」
『…うん』
「ああ、そうだ」
『ん?』
「愛していますよ、心から、ね」
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