恋心二つ

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 でも、そんなことを考えていると、ふと、昨日の浩之の唇の感触が脳裏に蘇る。  ―――浩之のキス……嫌じゃなかったな。っていうかむしろ気持ち良かった。  なんて、昨日のことに頭がトリップしかかった時、 「恭、顔赤い。今、あいつのこと思い出しただろ」 「うっ……」  そう指摘されて、言葉に詰る。  ……ああ、墓穴掘ってるよな。俺。  昔から、顔に出やすいと親兄弟はおろか、親戚からも言われ続けてきたから、隠し事は苦手だ。  きっと今、頬が熱いし、耳まで赤くなっているに違いない。
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