恋心三つ

2/15
前へ
/101ページ
次へ
「恭! これ!」  受け取って。と、嬉しそうに差し出されたそれは。綺麗にラッピングされたチョコレートで。  俗に言う、バレンタインのチョコレートだ。  普通なら、嬉しいはず。  ―――そう普通なら。  問題なのは、差出人だ。 「結城、お前……」  俺は一つ溜息を吐いた。  何もわざわざ、クラスメートがみんな見ている教室なんかで渡さなくっても良いだろうに。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3242人が本棚に入れています
本棚に追加