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『無理だ…』
一護は悩んでいた
『いくら何でもあの値段じゃ買えるわけねぇ…。』
それは今日の学校帰りのことだった…―――
「一護!ちょっと寄りたいところがあるのだが、よいか?」
「あぁ、別にいいぜ」
「よし!では行くぞ!」
一護とルキアはいつもの帰り道とは逆の道を歩いていた。
「なぁ、どこ行くんだよ?」
「うむ。実は、最近新しい雑貨屋ができたと井上から聞いてな、気になったのでちょっと行ってみようと思ったのだ!」
『丁度よかった…これならあいつが何が欲しいかわかる…』
もうすぐルキアの誕生日
一護は密かにルキアに誕生日プレゼントを渡そうと考えていたのだが、何が欲しいのか分からなく困っていた。
「此処だ、一護!」
しばらくして目的の店に着いた。
「へぇー…こんな所にできたんだな」
「なかなか良さそうな店だな!」
ルキアは早速その店の扉を開けた。
「いらっしゃいませ~」
「おぉー!」
中に入った途端、ルキアはあまりの光景に目をキラキラと輝かせた。
如何にも若い女の子が好きそうな店だった。
可愛いアクセサリーやらバッグなど、たくさんの品物がずらりと並んでいた。
『なんか高そうな店だな…まぁ、なんとかなるか…。』
そんな事を考えているとルキアの呼ぶ声が聞こえた。
「一護!一護!」
一護は声のする方へと行った。
「見ろ!このぬいぐるみ、チャッピーにそっくりだ!」
「あぁ…言われてみればそうだな」
そこにはチャッピー似のピンク色のふわふわした大きなぬいぐるみが置いてあった。
「欲しいのか?」
「買ってくれるのかッ!?」
「今日は無理だけど、また今度来たときな」
「ありがとう一護!約束だぞ!!」
ルキアがその場から立ち去った後、一護は気づかれないようそっと値段を見た。
だけどそこにはとんでもない数の値段が書いてあった。
『嘘だろ…!?こんな高いのかこのぬいぐるみ…!!』
それはとてもじゃないが高校生が買えるような値段ではなかった。
『こっちのならギリギリ買えそうだな…』
大きなぬいぐるみのすぐ近くに同じような小さなぬいぐるみのストラップがあった。
「買わないよりはいいか…」
一護はルキアに気づかれないようこっそりそのストラップをレジに持っていった。
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