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そしてその日の夜
「これだけでいいのか…?ほかにも何かあったほうがいいよな…」
一護はまだ悩んでいた。
流石にこれだけでは寂しいと思い、いろいろと考えてみたものの結局何も思いつかず、時間だけが過ぎていった…
いよいよ誕生日当日
「んー…ふはぁぁ…むっ、今日は一段と冷えるな…」
早く目が覚めたルキアはあくびをしながらカーテンを開け、窓の外を見た。
その瞬間、外の光景にルキアは目を丸くした。
急いで遊子たちの部屋から出て隣の部屋へと走っていった。
「一護、起きろ!雪だ!雪が降っているぞ!!」
ルキアはまだ寝ている一護の体をユサユサと揺らす。
「…んだようるせぇーな…。休みの日くらいゆっくり寝かせろよ…」
「つべこべ言わずに起きろ!外で遊ぶのだ!」
ルキアは一護の布団を引き剥がし無理やり起こそうとした。
「バカ!寒いじゃねぇーか!!」
「やっと起きたか馬鹿者め」
「ったく…どっちが馬鹿だってぇーの」
「むっ?何か言ったか?」
「何でもねぇーよ!わーったよ、行きゃあいいんだろ!!」
「うむ!!」
一護とルキアは着替えてから近くの公園に出かけた。
「さみっ…」
「一護!」
「あっ?」
一護は名前を呼ばれて振り返ると、思いっきり顔面に雪を投げつけられた。
「テメェ……!ンノヤロー!!」
「アヒャッ!!」
一護はお返しとばかりに同じくルキアの顔面に雪を投げつけた。
やっている内に楽しくなり、しばらく遊んでいた。
「むー…やはり難しいな…」
雪合戦の後、ルキアは雪だるまを作っていた。けれどなかなか上手くいかず苦戦していた。
一護はその様子を少し離れたところで微笑ましく見ていた。
「本当不器用だな…そうだ…!」
一護も何かを作り始めた。
数十分後…
「出来たぞ…!一護、見てくれ!その名もチャッピー雪だるまだ!よく出来てる…だ……」
ルキアが話してる途中、一護は後ろから小さな体を抱きしめた。
「一…護…?」
「お前、今日誕生日だろ?だから、ほら…」
抱きしめてる一護の手には数日前に買ったストラップと、さっき作った小さな雪兎があった。
「この前行った店で見たあのでっかいぬいぐるみ、高くて買えなかくて…こんな小さいやつしか買えなかった。ごめんな、約束守れなくて…」
一護は申し訳なさそうに言った。
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