2人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日、アニマはまた酒屋にいた。
「はい、480G。」
「ちぇっ……儲けねえなぁ」
「日頃の行いが悪いんだよ」
自警団の人々が、アニマの賭けの勝利の美酒を味わいにきたのだ。
自警団と言っても名ばかりで、実際は国が雇った傭兵団のようなものだ。
実力があり、素行もそれなりに悪くない人々が集まっていた。
「アニマ、まさか本当にあの副隊長様の胸……測ったのか?」
「ん、おう。」
自警団の遠い上司にあたるサティラにものすごく無礼なことをしているアニマに、尊敬の目が一斉に集まる。
「あの副隊長の……すげえ……!」
「もう自警団入れよ!」
「そうだ! お前みたいな優秀なやつ、こんな死にかけの町で腐らせるにはもったいねえ!!」
アニマが自警団に入る話で一気に盛り上がるが、アニマが二回叩いた手で静かになった。
「誘いはかなりありがたいが、自警団の入団年齢は18歳だろう?」
それにうなずいた面々を見て、アニマは困ったように笑った。
「俺はまだ15歳だ。」
マスターがオレンジジュースをアニマの席に置いて、小さくうなずいた。
「ええええっ!? わかっ!」
「その若さでその実力……益々欲しい……」
「嘘だろ? どう見ても成人してそうなのに……」
確かに、アニマの容姿はかなり大人びている。
特別かっこいいということはないが、20歳は越えていそうな物腰なのだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!