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「当たり前だ。犯罪だろう? 自警団さん?」
ニヤリと笑って嫌味たらしく言ってやると、相手の男の額に青筋が浮かんでいた。
「こんな犯罪まがいのことしてるガキに言われたくねえんだよ!!」
「犯罪まがい、か。犯罪者より重罪とは知らなかったな。」
赤い印の紙を指で叩き、余裕を見せながら言った。
「俺らはてめえのチマい小遣い稼ぎのためじゃなくて、生きるためにやってんだよ。」
その言葉に男が唇を噛んだ瞬間、拍手と笑い声が響き渡る。
「あっはっはっ! またアニマに偽造ふっかける奴がいたか!」
「アニマ! そいつ新入りなんだ! 金だけで許してやれよ!」
「恒例行事も見れたし、また乾杯するぞ!」
まったく話についていけない男だが、代わりにアニマが答えた。
「毎年、新入りの人は俺が若いからって、なめてかかりやがるんだ。」
長い息を吐いて、ジュースを一口飲んだ。甘さに少し顔をしかめて、片手を出した。
「8200Gにまけてやる。」
男は、口をパクパクと動かしていたが、諦めたように財布を出した。
「足りないから、5000Gは今度払う。」
「まあ、いいだろう。」
3200Gを受け取り、マスターにジュースの代金に少し上乗せして渡した。
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