相性、快勝、賠償

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「気付かれてしまいましたか……」 何もない場所から、古く変色したローブをまとったものが現れる。身長は低いが、少しだけ見える手は若い男の手だ。 「そんなに殺意をだしておいて、気付かれないはずがないだろう?」 サティラは不敵に笑う。男はまた、クツクツと笑いだした。 「さすが……というべきですかね。国軍の二番隊副隊長様。」 その名称にも、サティラは何の意も唱えなかった。 「まあ、その程度で我々の相手をしようとは……嘆かわしいものですな。」 男のバカにするような嘆息を聞いて、サティラの目が獣のような光を放つ。 「ふっ……なめてくれるなよ。私とて貴様のような雑魚を切ることに胸を痛めきゃあああああああ!?」 突然の女の子のような声に、教会の誰もが声の主がわからなかった。 そして、その声がサティラのものだとわかった時、その後ろの男を見た。 「九十……三センチ。ふむ、倍率は妥当か……」 メジャーを見ながら、何かをぶつぶつと呟く男は、サティラが本気で放った剣を軽く避けた。 「あっはっは。怒るなよサティラ。たかが胸のサイズを測っただけだろう。」 顔を羞恥で真っ赤にしながら、サティラはプルプルと震えていた。今、男が言った数字は、自分の胸囲だったのだ。 「ア……アニっ……アニマーーー!!!!!!」 建物が崩れるのではないかと思うほどの声が響き、走って逃げるアニマの背を追いかけて行った。 .
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