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部屋には僕を含めて四人が座っている。
葉華菜……だっけ、はきっちり正座しているが、依梨沙……は足を崩したり組んだりと落ち着きがない。
まだまだ見分けが付かないのである。
「それで、何の用で来たんですか?」
「お茶をたかりに来たぜ」
「お茶をもらいに来たのよ」
「なんだ、それだけですか……じゃあ少し待ってて下さい。お茶を用意してきます」
なんだこの従属精神。或いは余程の世話焼きなのかな。
霊夜が行動を始めた為、部屋には霧雨姉妹と僕が残っている。
ニコニコしている依梨沙と澄ましている葉華菜、そして僕。我慢出来なくなった僕は話を切り出した。
「あのさ……」
「ん?なんだ?」
「霧雨魔理沙とはどういう関係?」
「魔理沙を知ってるのね。……ええ、魔理沙は私たちの母の母。つまりは祖母ね」
葉華菜は僕が魔理沙の名を知っていることにあまり驚かなかったみたいだ。或いは、表面に出さないだけかもしれないけど。
依梨沙はと言うと、こちらもあまり表情を変えずニコニコしている。
「そうかそうか、誰に聞いたか知らないが、魔理沙の名は知ってるんだな」
「うん、まあ、ある程度は知ってる……かな」
「そうか、じゃあ……“これが何かわかるな”?」
依梨沙が言って取り出したのは、スペルカード。
恐らくは、
恋符「マスタースパーク」
だった。
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