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ひたすら落ちていきながらも目に見える景色は変わらない、という不思議な感覚に陥りながらも、僕はこの変わらない景色の中にあるかも知れない影を探していた。
しかし、僕をスキマに落とした『犯人』はどこにも見当たらない。
「八雲紫ー!」
「呼んだかしら?」
その声と共に背後から手を回された。っていうか、抱き着かれてるようなものなんだけど……
急に抱き着かれたら身体も縮こまってしまう。一瞬息が詰まってしまって声も出なかった。
「えっと……八雲紫。どうして僕をこんな目に遭わせるのさ?」
「どうしてだと思う?」
質問を質問で返さないで欲しいよね。
「ちゃんと答えてよ……」
八雲紫は僕の要望に対して間を空けることなく即座に口を開いた。
「貴方、幼馴染みがいたわね、青羽 白雪(あおば しらゆき)だったかしら」
「今なんて言った!?」
なんでその名前を……
「何故その名前を知ってるんだ、って顔してるわね。面白いわ」
「……どういうことなのか、教えてよ。白雪とはどういう関係なの?」
「ただの親友よ」
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