1人が本棚に入れています
本棚に追加
スキマから勢いよく飛び出した僕を最初に待ち受けていたのは畳だった。
「ゴホッ、ガハッ、いったぁ……背中打った……」
畳に仰向けに倒れて痛みに打ちひしがれる僕を一人の女性が見下ろした。
「あの……大丈夫ですか?スキマから突然落ちてきたし、紫さんの仕業ですよね?」
その容姿は完璧に見覚えがあった。―――博麗霊夢だ、この紅白の巫女服は。容姿だけ参考にした場合の話だけど。
まず、想像していた霊夢の性格とは違いすぎる。霊夢はもっとこう……うん、敬語なんて使わない気がする。
次に、見た目が―――
「あの……大丈夫ですか?なかなか起き上がれないようでしたらお手伝いしますよ?」
あ……まだ倒れたままだった。
「い、いや、大丈夫……痛ッ!」
打った腰に電流が走った。起き上がりかけた姿勢で固まり、顔が引き攣る。
「大丈夫じゃないですよね!?待ってて下さい、お布団敷きますから!」
そういうと、霊夢らしき人は僕を置いて別室に移動した。
「うう、情けないなぁ」
腰を摩りながら「痣になってるかなぁ……」と心配していると、霊夢らしき人は布団を抱えて戻って来た。
布団を敷いてくれたのでお言葉に甘えようとして、なんとか布団に入れた。
「いつつ……ありがとうね……」
「いえいえ。悪いのは紫さんですからお気になさらずに。あ、そうでした。
私は博麗霊夜といいます。もし宜しければお名前を教えて頂けませんか?」
そう言って博麗霊夜はニコッと笑った。
対する僕はあまり理解出来ていなかった。霊夜ってどういうことなの……
最初のコメントを投稿しよう!