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異形なる<守護>の追撃を逃れたマリーティアは、レイドンと名乗る謎の男と共に東へ、東へと向かっていた。
<暗き森>は先の見えない大海のようなものだ。
一説にはこの森は地の果てまで続いているという。
そういう森に生きる者たちも少なくない。
ブリード王国の圧倒的な攻勢にさらされて森に逃げ込んだ民たちは、森の中に集落を作り、隣り合う民たちと交易をしながら細々と生をつないでいた。
だが、彼らが向かっているのはそんな小集落ではない。
森の都市フルンタード。
天嶮を生かした自然の要害のような防御施設を構えるフルンタードは、ブリードのみならず、北限諸侯や草の民の国といった諸蛮族どもを撃退し続けてきた。
レイドンはひたすらにフルンタードを目指していた。
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