弌章

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どうやら変な体勢で寝てしまったようだ。 肋骨が軋むように痛い。 痛みはどうにもならないことは分かっていたので、仕方なく歯を研くことにした。 寒い。 布団からでるのが億劫である。 ブランケットを体に包むなり、私は布団から這うように洗面所に向かった。 「カミナリ様か私は……」 洗面台の鏡を見ると、もはや誰だか分からないほど髪の毛がボッサボサになっていた。 もはや寝癖直しでは直らないレベルにまで到達している気がする。 「仕方ない……シャワーでも浴びるか……」 髪を洗うのにそこまで時間はかからなかった。 しかし、こういうときだけ髪が長いのは面倒でやだな、と感じてしまう。 別に今の髪型が気に入らないというわけではないが、なんとなく短い髪の毛の方がよかったな、などと常々思っている。 機会があったら切ってみよう、うん。 そんなどうでもいいことを考えながらお風呂の中で微睡んでいた。 つもりだった。
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