弌章

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「美希ったらまたサボり? ぐっすり寝ていらっしゃった社長さんはお仕置きだっ!」 秋水悠加。 私の同居人――まぁルームメイトってやつか――であり、姉のような人物である。 同時に超がつくほどよくできた生徒――優等生とは違うと思う――と言われている。 「はいはい、わかりまし…ってきゃうっ!!」 「そんな不規則な生活してるから成長しないんだよー」 ――そしてこの悪魔は私をよく玩具にする、悪癖がある。 「ひゃうっ!!やめ……ちゃ……んと……来るか……んんっ!!はっ、ははははちょ、くすぐるな、はははははははっ!」 とにかくくすぐり攻撃から逃れるため、必死にじたばたした。 私の抵抗が激しくなったからか、悠加はようやく私から離れてくれた。 「仕方ないなぁ……次からちゃんと起きなさいね?」 「はぁ……はぁ………おこしてくれれば」 「何か言った?」 「いえ、なにも。」 絶対零度の微笑で返された。 ………絶対私を遊ぶために起こさなかったな、これは。 明日は絶対に早く起きてやる。うん。 表向きではそう考えつつ、裏向きではどうやって見つからないか必死に思案する私だった。
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