弌章

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私の今日の見回りは悠加にいぢられながら、無難に済んだ。 「そういえばさ、」 私は唐突に切り出してみた。 「悠加って警察官にでもなるの?」 「いやーそんなことは考えてないなぁ…なんで?」 私がそう切り出したのには訳がある。 それはこの巡回をまじめに受けていることに関係している。 まぁ、いいか。なんか今更聞くのも面倒だし。 「というかさ……美希ちゃん、手になに持ってるの?」 「え?そりゃバッグに決まって……」 ……ナマケモノのぬいぐるみを持っていた。 なんだおまえ、というかそんなつぶらな瞳でこっちを見つめないでほしい。 泣きたいのはそっちだけじゃない、 こっちもだ……………。
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