一章

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それは、一通の手紙から始まった恋だった。 手紙といっても実際はそんなに立派なものじゃぁなくて、ノートをちぎったような、掌に収まってしまう小さな紙切れだ。 ただ、その紙切れの白さが私の心に静かな小石をなげかけた。 洗いたての真っ白な心みたいに、いっぱいの想いを詰め込んだ手紙の白さは、一通ごとの言葉とともに私の心に真っ直ぐに染み透った。
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