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「・・・ナットク」
私を見て、燎を見て、そして刀根は言った。
「きみが、かのウワサの。崎谷を骨抜きにしたという、けいせいの美女」
「なんや、それは」
苦笑した燎。
無視して、刀根は僕を真っ直ぐに見つめる。
「惠ちゃん・・・、でしたか。おいくつですか?」
「十五」
「高校生?」
頷いた私に、やりますねえと刀根は口笛を吹いて、いきなり私の首筋にグイと顔を寄せた。
「刀根!」
「しませんよ、匂い」
至近距離の刀根のピアスに目を丸くしている私をよそに、刀根は視線で燎を見た。
顔を近づけたのは、匂いを嗅いでたのか。
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