†Prologue†

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ポルト地方のシュタルト王国で、老齢の冒険家が自らの冒険記を発表しようとしていた。 彼は老齢であるが、数々の発見を世に残した有名な冒険家である。 「そろそろ始まるな」 「おい!狭いから押すなよ!」 王都の宮殿前の広場には、新聞記者をはじめ、老若男女問わず大勢の人が彼の発表を聴きに集まり、広場を埋めつくしてる。 一人の白髪の老人が、広場に設置された台の上に姿を現した。 広場は一瞬で静まり返り、老人は、ゆっくりと口を開いた。 「わしがレヴィン・ジョーンズ、冒険家じゃ!」 彼は、時折髭をさすりながら、自らの体験談を楽しそうに語っている。 人々もまた″おー″など歓声を上げながら、熱心に聞き入っていた。 「…最後になるがの、わしは、伝説の島″アトュム″を発見した」 人々は、″信じられない″という表情で固まった。 神話の中には、アトュムを治める者は、世界の支配力・沢山の財宝が手に入るとされている。 人々は所詮神話の中の″夢の島″と、今まで信じる者など誰もいなかった。 だからこそ、彼の発言に人々は驚愕したのだ。 「わしは会ったのじゃ、アトュムに住んでいた人物と…うっ‥」
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