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隆司の初恋
小学校入学してから、ずっと好きな子がいた。
彼女は弱虫で泣き虫。
子供心に守ってやりたいとか思っていた。
だが気持ちとは裏腹に、どうしても彼女に構いたくて、変なあだ名を付けてからかったりした。
彼女が学校を休めば、こっそりプリントやら給食のデザートを届けたりした。
そんな風にしながら小学校6年間、素直になれなかった。
だから中学上がったら、素直になろうと決めた。
ところが、彼女は遠い外国に行ってしまった。
辛かった。
人生の半分くらいの年月の間ずっと好きだった子が、いない。
もっと素直になれていたら…そんな後悔ばかり浮かぶ。
中学入ってモテ出した俺は、寂しさ故に女遊びに走った。
毎日のように女を変えたりしていた。
気が付かないまま、どんどん体が汚れていった。
高校に入って再会した彼女はとても綺麗だった。
しかし、こんな汚れた体では彼女を傷つけてしまう…
もう俺は、彼女とは一緒になれない。
だから、遠くから幸せをそっと祈ろう。
自分自身にできる
精一杯の力で…
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