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イギリスで両親とぶつかりあった。
正直、父や母があんなに熱心なクリスチャンだとも知らなかったし、父や母も私がこんなに教会に無関心だという事も知らなかっただろう。
宗教学上での「教会」の存在に学問的な関心があっただけだ。
そんな、半ば勢いのつもりで日本に帰ってきた。
たった3年で、周囲は驚くほど変わっていた。
私が入学が決まっていた公立の進学校。
小学校で友達だった子は誰もいなかった。
唯一の知り合いは、よりによって原田隆治だった。
それでも両親と暮らすよりはマシだった。
両親とはきっといつか解りあえるかもしれないけれど、今しばらくは離れている方が懸命だと思った。
一人暮らしは寂しいけれど、高校に入って友達もできたし、充実していた。
クラス委員をやったり、勉強を頑張ったり、明るく元気な優等生のフリをしていた。
正直、原田の事はまだ少し恐かった。
小学校の頃の些細ないじめとはいえ、あの頃は本当に学校を休みたくなる位嫌だった。
たまに本当に休んだ。
仮病はしょっちゅう使うと効果はないけど、たまに使うなら効果は絶大だった。
そういう日はいつもクラスの誰かが、プリントとか給食のデザート(プリンとかゼリーとか)を持ってきてくれた。
原田が同じ高校にいるのは知っていたけれど、クラスは違ったので遭遇する事はなかった。
それを避けていた。
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