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平日だったと思う。休みだったのでぶらっとショッピングに出掛けていた。よく行く本屋に立ち寄り目的もなく本を眺めながら歩く。
あまり人には興味がないので伏せ目がちにしていた視界に
、ふっと赤いものが映った。
赤い車椅子。
ベストセラーが並べてあるコーナーの横に、10歳ぐらいの女の子がいる。周りを見ても保護者らしき人は見当たらない。
こんな子を一人で放置か?
と、思ったが同時に懐かしい気持ちが込み上げて来た。
視界の中の少女が私の妹と重なる。
私の妹も先天性の障害で車椅子なのだ。
話をしてみたい。
保護者も近くにいないし声をかけやすいかもって、でも小心者の自分は話しかける勇気も出ず、とりあえずその子のそばまで行き本を選ぶ振りをしてみた。
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