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興味のない本を眺めながら、ちらちらと女の子の様子を伺う。
女の子もちょっと退屈そうに本を眺めていた。
私にも難しそうな本が並んでいるから当然だろう。
どうしよう。
思い切って横に列んでみた。
そんな私を気にする様子もない。
「こんにちは」
何を探してるの?
何か欲しいのがあるの?
続けて言いたいことはあったけど、小心者の私には「こんにちは」が精一杯だった。
なるべく笑顔で話しかけたつもりだったが、緊張して引き攣った顔になっていたのだろう。
女の子は私に少し驚き表情を強張らせ目を伏せた。
当然返事などない。
なんで、もっと自然に話しかけられないのだろう……
情けない自分に後悔した。途端に恥ずかしさが沸き上がり適当に本を選ぶ振りをして女の子のそばを離れた。
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