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「昔、女と満仲の父は恋仲だった。
捨てられてもなお、慕っていた。
鵺となってまで、探し続けるほどに。
その思いは面影を遺す息子に移り、力になりたいと願うようになり、お前を介して近付いた」
兼家は黙って耳を傾けている。
「どちらからかはわからないが、提案したんだろう。
満仲にとって邪魔な者を排除しようと」
「……そういえば謀反人の中に藤原千晴が入っていたな。
あの男は武門の出で満仲殿より優位にたっている」
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