┼変┼

31/33
前へ
/792ページ
次へ
「あそこにお前と良く似た狐の女性が見える」 兼家は鉛のような指を震わせながら几帳を指した。 晴明は振り向き見るが何もない。 「お前のその髪と眼の色は陰陽師だからだと思っていたが、狐の血が入っているためだったのだな。 優しそうな母君だ」 フフ、と何とも可笑しそうに笑う兼家。 晴明は珍しく眉を僅かばかり下げた。
/792ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1213人が本棚に入れています
本棚に追加