┼変┼
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「あそこにお前と良く似た狐の女性が見える」 兼家は鉛のような指を震わせながら几帳を指した。 晴明は振り向き見るが何もない。 「お前のその髪と眼の色は陰陽師だからだと思っていたが、狐の血が入っているためだったのだな。 優しそうな母君だ」 フフ、と何とも可笑しそうに笑う兼家。 晴明は珍しく眉を僅かばかり下げた。
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