┼変┼

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「それもそうだ」 穏やかに笑いながら晴明は腰を上げ、蔀戸(しとみど)を開けた。 締め切られていた部屋に、初春の風が吹き込む。 冬の涼やかさと、春の華やかさを纏った香り。 草木は目覚め、息吹き始める。 ふわり、 晴明の頬を撫でるように暖かな白銀の光が満月に消えた。
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