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その路は晴明の屋敷のある土御門への帰り路。 兼家の屋敷は反対になる。 嫌な予感が脳裏を掠めた晴明は至極嫌そうな顔をした。 「家に上がり込む気か」 「夜は長いんだ。 少しくらい話を聞いてくれてもバチはあたるまい」 更に顔をしかめる晴明をよそに少年のような無邪気さで兼家は足を進める。 いくつか辻を抜けると、やがて土御門の角にひっそりとたつ晴明の屋敷が見えてきた。
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