┼門┼

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指を揃え、一言、呟く。 その指でトン、と兼家の背中を叩き、襟から紙を一枚、入れた。 「もう喋ったり、動いたりするなよ。 もし破ったら俺はもう知らん」 晴明はフン、と鼻を鳴らす。 兼家はパチパチと目で返事をした。 ──シャリ、シャリン 音をたてながらゆっくり輿が近付いてくる。
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