┼門┼

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『……姿はせぬのになぁ……。 面妖なものじゃ……』 ──キィ……キィ…… ゆっくりと牽き手のない輿が動き出す。 狼狽える兼家を目で制し、口に添えた扇の内であくびを噛み殺した。 行列が過ぎていく。 一人、二人と。
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