┼変┼
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兼家は昏睡状態のまま日を過ごした。 昼も夜も、とうとうと。 ようやく萎びた瞼が開いたのは月が揚々と顔を覗かせた頃だった。 ゆっくりと見定めるように瞳が動く。 「……ここはあの世か……?」 「お前はついに己の屋敷も忘れるほど呆けたのか?」 衝立から晴明が顔をひょいと出した。 「……晴明……」
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