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『もう一度、願いなさい』
少女が薄暗い空に祈った一言に返事が返ってきました。
それは少女も思っていなかったことで、驚いたようすを見せます。周りを見ますが誰もいません。
『本当に、心から純粋に願うのなら、私のところにおいで』
姿がなくとも、声はします。はっきりと。少女には聞こえたのです。だから返しました。
「どこにいるの?」
少女の声はきちんと届いたのか、風が一つの紙を送ってきてくれました。
その紙は地図のようで、少女はそれに見覚えがあったのです。
「もり…よーせいのもり。じゅりあ」
少女は何かにとりつかれたかのように呟き、静かに家を出ました。
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