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授業が終わると僕は学食に向かう。
自炊というのはあまり得意な科目ではない。
そういえば鞄が重い…行きは急いでて気にしなかったが、今はそうではない。
今日は午前授業だし学食に寄る必要がないが、三人に是非ともここの唐揚げを食べさせてあげたい、本当に美味いからね。
鞄から財布を取り出そうとジッパーを開けると丸まった瑠璃ちゃんが姿を見せた。
だから僕はジッパーを閉めて急いで学校から出て瑠璃ちゃんを出した。
「やっと……出れた」
「気がつかなくてごめんね」
首を振ってから僕の胸に飛び込んできた。
素晴らしい跳躍力だ、感動した。
「でもね瑠璃ちゃん、薄着もあれだけどこんなところにいちゃだめだよ、危ないからさ」
「やだ……一緒に……居たい」
聞き分けのない子だが一緒に居たいなら仕方ないか…それに肌がスベスベしてる、食べてみたいくらいに。
とりあえず上着を着せて抱き抱えながら家路を急ぐ。
「彰」
「なに?」
「漏れた」
言葉通り僕のお腹辺りが徐々に湿ってくる。
おかしいなあ、朝に教えたはずなんだが…。
「ごめん……なさい」
僕はどんな顔をしていたのかはわからないが、瑠璃ちゃんはしょんぼりしてしまった。
別に嫌ではないし怒ってもないのに…。
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